ブランド
日本人独特の美的感覚を「箔」で表現
東山企業組合 米原営業所
- 2016年
- 京扇子
- 金彩扇子作家 米原康人
歴史
伝統を現代にそして未来に伝えるため
私は2009年から伝統工芸士の米原伸治氏のもとで、京扇子の箔押し業務に従事しました。
主に能や茶道といった日本の伝統芸事に使われる扇子の製作に携わっていました。
弟子入り時代の経験を経て私は、日本の伝統工芸品である京扇子の技術だけではなく、芸事、神事、祭事、仏事と共に秘められ、伝えられてきた日本人の美徳や祈りこそ、本当に守りたい。
それを「扇」と「箔」というツールを使って現代的感覚を交えながら表現したい、という強い願望が芽生えました。
これまで培ってきた技術を活かして、私は現代にどのような価値を提供することが出来るのか考え抜き、2016年「日本のアイデンティティーを表現する京扇子」を目指し、オリジナル商品の開発をスタートさせました。
特徴
伝統的でもあり、新しくもあるデザイン
現代の生活の中でも扇子を持つ文化を根付かせたいと、箔技法を使った伝統的でありながらもファッション性のあるアイテムに仕上げています。
京都の扇子の特徴は、分業で行われる制作体制です。
扇骨、地紙、上絵、箔押し、折、附けとそれぞれ専門の知識、腕を持った職人が連携して制作にあたることで、素材の良さや特徴を最大限に活かし、高品質な工芸品を生み出しています。
特に燻シリーズは、銀を硫黄で燻した際に起こる硫化作用を利用した焼箔を使っており、燻す時間によっても色がさまざまに変化していきます。
硫黄で燻した際に表面に発生する透明な薄膜が光の干渉を起こし、薄膜の厚みによって色変化が起きる仕組みです。
「より早く、より大量に」ということではなく「より時間をかけて、より丁寧に」。
贅沢な逸品に仕上げました。
お客様へ
日本ならではの美的感覚を楽しんで
「もののあはれ」「幽玄」「侘び寂び」など、日本人が美しいと考え、受け継がれてきた情緒的な表現は、日本人が持つ独特の美的感覚です。
私は、その日本ならではの美的感覚こそが、創造力の原点であり、伝統工芸が真に未来に伝えていくべきことだと考えています。
お客さまにも扇子の素材感や箔の生み出す表情を通じて、日本人の根っ子のようなものを感じて頂けたら嬉しいです。
日常のコーディネートや、涼を取る粋なアクセントに扇子を。
ギフトにも使える現代のライフスタイルに寄り添ったアイテムに仕上げましたので、ぜひ扇子を持つという文化をあなたの日常にも取り入れてみて下さい。
受賞歴
伝統工芸士
京もの認定工芸士
FA国際美術協会展新人賞
全国伝統的工芸品公募展入選