ブランド
Brand
いつも、いつでも使える「縁起物」
八尋製作所
- 2016年
- 小田巻き・金箔工芸
- 西村かおり
歴史
History
祖父から受け継いだ「ものづくり」のこころ
2009年に京都造形芸術大学を卒業し、その後は京友禅の職人として伝統工芸産業に従事してきました。京友禅の職人として伝統産業が直面する後継者の問題、ライフスタイルの変化による需要の減少を目の当たりにし、「これからの時代、商品開発力と販売力がなければ生き残ることができない」と実感しました。そこで心機一転、伝統工芸品の商品開発とインターネット販売を行うベンチャー企業に就職し、商品作りのノウハウを学びました。そして2016年に「ものづくりを通じて伝統工芸産業を活性化する」という目標を掲げ、会社を設立いたしました。その際、かつて祖父が起業した鉄工所「株式会社八廣製作所」の名前を受け継ぎ、「ハ尋製作所」という会社名にしました。既に鬼籍に入った祖父は鳥取県八頭郡八東町の生まれで、「八」という漢字が大好きな人でした。「八」は「末広がり」という縁起のいい漢字で、「尋」にも「広がる」という意味があります。「八廣」は鉄工所であり、伝統工芸とは分野は異なりますが、私がものづくりの道を選んだのは、祖父や画家だったという曾祖父の影響を受けていると感じ、「八尋」という名前を受け継ぎました。私は今、ものづくりというバトンを持って走っている世代ですが、いずれ先達から受け継いだバトンを次の世代にバトンタッチできるよう、ものづくりの道を究めていきたいと思っています。
特徴
Characteristic
一つ一つに「意味」がある。縁起物の面白さ
今回開発した「KAGASEOかんざし」シリーズは、豪華絢爛な金箔工芸の技術と、絹製の小田巻を融合させた一品です。カジュアルな遊び着のコーディネートにも合わせることができます。金箔は古くから縁起物としてお酒に入れたり、仏具や神具に使われてきました。そのような金箔を贅沢に施した「コットンパール」は、高貴な美しい輝きを放ちます。コットンパールは、伝統の技を受け継いだ京都の職人が、一つ一つ丁寧に箔押しを施しています。また、絹の輝きが美しく、和装に使われてきた小田巻きは1本の糸がグルグルと切れ目なく規則的に円状に巻かれ、また糸の始まりと終わりが分からないことから「縁が途切れない縁起のいい物」とされています。また、丸(円形)は、禅の世界では宇宙や調和を表す形です。作り方や形にもこのように「縁起の良い」意味が込められておりますので、ご自分で使われるのはもちろん、贈呈用としても大変喜ばれる逸品です。着物や洋服に使われている1色をお顔周りにも持ってくることで、全体のコーディネートを綺麗にまとめることができますので是非お好きな色をお選びください。
お客様へ
For Customers
京都の魅力、工芸の魅力を感じて
京都は日本文化の街であり、文化を支えて来た伝統工芸の街でもあります。街中に職人が工房を構え、同じ業種の職人が地域に集まっているため、そのまま地名になっていることも多く見られます。しかし現在は、ライフスタイルの変化による需要の減少、宗教離れ、文化離れから職人の数は減り続け、伝統工芸そのものが衰退しつつあります。畳の部屋、陶器の食器、着物など、文化は簡単に途切れてしまう、ということを多くの日本人は目の当たりにしてきていると思います。私は着物が好きで染織を学び、更に工芸の世界に魅せられ、そのような伝統工芸産業を盛り上げるために、商品開発のプロデュースをしています。是非、私のつくる「縁起物」の商品を手に取っていただき、京都の魅力、伝統工芸の魅力を存分に感じてください。