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自然への敬意と感謝。アイヌ文化の優しい手仕事。
with AINU CRAFTS.
- 2022年
- アイヌ工芸
歴史
アイヌ民族の誇り高き文化
アイヌ民族は北海道を中心とした日本列島北部周辺に先住していた人々です。
独自の言語、信仰、文化を形成して、周辺のさまざまな民族と活発な交易をおこなってきました。
アイヌ民族の精神世界では、自然界をはじめとするすべてのものに魂が宿っていると考え、その中でも、身の回りに存在する生物や事象のうちで重要な働きをするものや強い影響を与えるものを「カムイ」と呼びます。
たとえば動物、植物、火、水、風、山、川などはカムイで、肉や皮、草木などを土産に人間界にやってくると考えられています。
アイヌの人々はカムイに祈りを捧げ、自然の恵みに感謝をし、必要なだけの産物を衣食住に取り入れながら、その収穫物や独創的な手工芸品で周辺の諸民族と自由に交易をして生活していたのです。
しかし、江戸時代、明治時代と時代が変わる中で、アイヌ民族の暮らしは徐々に厳しいものになっていきました。
交易の場を制限され、居住地を制限され、言語や伝統的な風習を禁じられるまでに至りました。
現代のアイヌ民族は、そうした苦難を越えて、再び自らの誇りが尊重される社会を目指し、アイヌ文化の復興と継承のためにさまざまな活動をおこない、新たな文化創造の試みも始まっています。
特徴
繊細で卓越した技術のアイヌ工芸品
アイヌの工芸品は、北国の自然環境から得た知恵や知識を活かし、生き抜くための道具や衣服から生まれました。
狩猟、漁労、採集のための道具を作り手入れをする中で卓越した木工技術が磨かれ、大切な儀式や祭礼に使われる道具も工芸技術の向上に大きな役割を果たしました。
また、動物の毛皮、魚の皮、草木の繊維など自然の素材を使って衣服や織物、編物などを作る技術にも優れたものがあります。
衣服に刺繍され、木工品に彫刻される繊細なアイヌ文様は、地域ごとに異なる特徴を持ち、使う人の幸福を願う気持ちが込められているのかもしれません。
お客様へ
今、アイヌ工芸にできること
すべてのものに魂が宿ると考え、この世のあらゆるものとの共生を大切にしてきたアイヌ民族。
自然の恵みに感謝をし、必要以上の殺生をせず、近隣の他民族と交流しながら生きてきました。
脈々と受け継がれてきたこの世界観は、持続可能な社会を目指す現代にも通じる考え方です。
「with AINU CRAFTS.」は、アイヌ工芸の伝統的な技法、素材、デザインを知ってアイヌ民族をもっと身近に感じてほしい、そして、多くの人が日常生活に取り入れることができる新しいアイヌ工芸品を創造していきたい、との思いから立ち上がったプロジェクトです。
繊細で美しい伝統技術と斬新で未来的な視点が融合した新しいアイヌ工芸をつくり出すことが、多様性を認め合いすべての存在が共生できる社会の実現へとつながっていくことを願っています。