ブランド
鍛冶職人がつくった新奇の器
syouryu
- 1909年
- 高岡銅器
- 島谷好徳
歴史
おりん一筋、一子相伝の技
syouryuは富山県高岡市にある、銅器を製造しているシマタニ昇龍工房のブランドです。
1611年、加賀藩の前田利長(まえだ としなが)は鋳物発祥の地である大阪府南河内より職人を招き、鋳物製造を始めることに。
鍋や釜、農具をつくっていましたが、徐々に仏具や花器、さらには金属製品全般を扱い、高岡鋳物として広く知られるようになりました。
シマタニ昇龍工房は1909年、江戸時代から脈々と受け継いできた鏧子(けいす)作りの技を守るため創業。
鏧子とは寺院にある銅製の鉢のような物で、僧侶が読経や礼拝の前に叩きます。
おりんとも呼ばれ、小型の物が仏壇に置いてある家庭もあります。
私、4代目の好徳は、他の道を考えたこともありましたが、仏様の道具をつくる家に生まれたことは稀な存在なのだと知人に言われ、客観的に認識しました。
それからは鏧子の伝統技法に向き合い、さらにこの技術を取り入れた現代の生活にマッチする製品を生み出すべく邁進しています。
特徴
高岡の鋳物らしい生活アイテムを
鏧子は音も形も良くないといけません。
それは職人の力や粘り強さと繊細な勘にかかっています。
鏧子一筋で110年以上続けてきた工房ですが、せっかくならこの技術を使って、たくさんの人々の生活に、潤いを与える品をつくってはどうかと思うように。
そして、それは高岡の鍛冶職人らしい物が良いと考えたのです。
「すずがみ」は純度100%の錫(すず)を使った四角い器。
通常の錫の板とは違って、何度も圧延を重ね金槌で叩く作業を繰り返すことでできた、厚さ0.75mmの紙のようなアイテムです。
使う方の発想で、自由自在に折り曲げて形を変えることが可能。
縁を高くして深めの皿にしたり、浅くして菓子皿やおしぼりトレーにしたりと、何度でも変形させて使うことができます。
大きさが4種類あるので使い方に夢が膨らみます。
曲げ伸ばしがしやすい道具「ころ」や保管用の「桐箱」も商品としてご用意しておりますので、気負わず手軽にお使いいただけます。
お客様へ
自由な発想で暮らしを豊かに彩って
「すずがみ」は仏教伝来の頃より脈々と受け継がれた鏧子の技術を、ふんだんに使って生み出された新しい伝統工芸品です。
現在の生活の中で、機械で作った無機質な大量生産品が多くを占めており、ものに愛着がわかず、使い捨ての文化が広まっていると思います。
高度成長期前までの日本は、ものを大事にする文化を形成してきました。
私は、少しでもその文化を取り戻したいと活動しております。
熟練した職人が一つ一つ、丹精を込めて作った手仕事による温もりを多くの人に感じて頂きたい。
職人がリズミカルに、粘り強く金槌で叩くことによって、薄く圧延した錫の板は、曲げ伸ばしによる劣化が少なく、折り紙のようにスッと曲げ伸ばしができます。
手仕事のものが生活にあることで、少しでも豊かな心を持ち、生活を送っていただけたら、嬉しく思います。
良質な工芸品は、暮らしの中に遊び心と彩りを添えることまちがいなしです。
料理やデザート、アクセサリートレイなど用途によって何度でも、さまざまな形に折ったり伸ばしたりして、思いのままに楽しんでください。
サイズに合った桐箱も商品として準備してありますので、節目の贈り物にも最適です。
受賞歴
1996年 経済産業大臣指定伝統工芸品 高岡銅器伝統工芸士認定