このはずく|天明鋳物

Brand

工房

金属本来の楽しさ、美しさを日常に

鋳金工房 このはずく

  • 939年
  • 天明鋳物
  • 正田忠雄

歴史

History

1000年以上の"天明鋳物"の歴史と共に歩む正田家

正田家はまさしく天明鋳物と共に歩んできた歴史と言えます。

天明鋳物は939年に平将門の乱のため、武具制作者が必要となり、河内の国(現大阪)から藤原秀郷(藤原鎌足を祖先とする公家「藤原氏」の子孫)の命により佐野の地で鋳物を営むために鋳物師(いもじ)が集められたと伝えられています。

その集められた最初の5人鋳物師の中の一人に"正田"を名乗る正田家の祖先がいます。

天明鋳物の最盛期は江戸時代中期と言われ、その工房数は70軒以上、職人の数は1000人を超えており、佐野の地を代表する産業でした。

しかし、現在ではたった4件の工房を残すだけになってしまっています。

私は、先祖から脈々と現在まで受け継がれる天明鋳物の伝統を受け継ぎながら、将来に鋳物の魅力を伝えるために新しいデザインや技法に挑戦を続けていきます。

特徴

Characteristic

30年以上追求してきた"銀色"の魅力

工芸作品を作る上で最もベストな方法である伝統的な「焼型鋳造」にこだわり製造をしています。

焼型鋳造とは、鋳型を作製した後、800度以上で焼成し、まだ鋳型の熱いうちに湯を流し込む鋳造技法のことをいい、近年ではその製造工程の複雑さから数えるほどしか後継者がいないと言われている技法です。

連綿と受け継がれてきた天明鋳物の後継者として現代に生きる人々に鋳物の美が伝えられるように汗を流し続けています。

特徴2 朧銀

Characteristic

朧銀(おぼろぎん)という材質が導き出す銀色を50年以上に渡り追求してきました。本当に素晴らしい鋳物は「見て重く、持って軽い」と言われています。朧銀は、単にきらびやかな銀色とは違いずっしりとした重厚感があり、見る角度によって表情が異なります。

銅が3銀が1の割合により、この重厚感のある銀色を表現することができるのですが自分の追い求める色や質感を出すまでには気の遠くなるような歳月がかかりました。

自分の納得できる作品は、数年に一度くらいしかできることがありませんが、一生をかけて探求していきたい魅力が朧銀にはあります。

特徴3 錫

Characteristic

数年前から、もっと多くの人に天明鋳物の魅力を知ってもらいたいと思い錫を使ったお皿や酒器などの日常使いができるものを模索していました。

錫の酒器は、注ぐだけで飲み物の味を変化させる、不思議なチカラを持っていると言われています。

また、滅菌作用が他の金属よりも優れており、落としても割れることがなくエコな食器としても愛されている素材です。

一つひとつのお皿や酒器に手作業で表情をつけていますので、一つとして同じものはありません。

金属なのに、人のつくる暖かさを感じていただけたら幸いです。

お客様へ

For Customers

本物を持つ喜びを日常に

包丁や、鉄瓶、漆器など日本で古くから使われている日用品が世界で再評価されています「日本人の日本人による日本人のための創造は海を渡る。」と私は考えています。

反対に言えば、日本人が納得しないものは世界でも評価されていませんでした。

しかし今、日本では使い捨ての日用品が溢れかえり、本物を持つ喜びや素晴らしさが薄まっているのではと感じます。

金属でつくられた器は、長年愛用し布で拭き上げることで色合いが変化していきます。

その色の変化が料理の魅力をさらに引き立たせてくれて、見ていて深みがますようなアクセントになります。

そしてただ、料理を乗せるだけのお皿という道具以上の意味を持つようになってくれます。

そのような金属で作ったものを生活に取り入れることによって、生活空間をより豊かにし、さらに金属の持つ本質を楽しんでもらえたらと思います。

正田忠雄氏と友禅作家でもある夫人

受賞歴

Award

伝統工芸日本金工展文化庁長官賞受賞

栃木県文化奨励賞受賞

日本伝統工芸展奨励賞受賞

佐野ルネッサンス鋳金展優秀賞受賞

佐野ルネッサンス鋳金展奨励賞受賞

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