ブランド
紙の素材と伝統工芸職人たちのコラボが生み出す新しい"唐紙"
景美風月
- 2022年
- 唐紙
- 小泉幸雄 深津佳子 谷野裕子 片岡孝斗 鈴木尚和
歴史
170年以上の歴史を受け継ぐ唐紙づくり
唐紙は、平安時代に唐から伝来し、当初は和歌や手紙を書く紙として上流貴族の間で用いられていました。
中世以降、屏風や襖 (ふすま) 紙としての使用が盛んになり、江戸幕府の開幕以降は江戸の街づくりとともに需要が拡大したと言われています。
私たちの工房も江戸時代の嘉永年間 (1850年代) に日本橋で創業いたしました。
ライフスタイルの変化により、和室を設えた住居が減少し、唐紙の襖紙としての需要も縮小しています。
このような流れの中で、伝統ある唐紙の魅力をより多くの方に知っていただきたいという思いから「景美風月」を立ち上げました。
特徴
伝統工芸職人とデザイナーによるものづくり
襖紙としての需要が減りゆく中で、インバウンド狙いの小物制作といった取り組みを続けてきましたが、コロナの影響を受け、海外からのお客様が来なくなってしまったことから、危機感を感じておりました。
そのような中で、造形作家・デザイナーである鈴木尚和さんとの出会いにより「景美風月」のプロジェクトはスタートしました。
徹底的に"紙"と向き合い、伝統的な紙作りからはじめることに決め、「手すき和紙たにの」を主宰する谷野裕子さんに、オリジナルの和紙をご提供いただきました。
谷野さんに刷っていただいた和紙の上に、私たちの唐紙の技法でモチーフとなる「月」を刷り、扇子は江戸扇子の伝統を受け継ぐ、雲錦堂深津扇子店の5代目深津佳子さんに依頼。
昔ながらの伝統的な技法で扇子を制作してもらいました。
また、屏風は「片岡屏風店」の表具師片岡孝斗さんに制作をお願いしました。
このような1人のデザイナーと4人の伝統工芸士のコラボによるまったく新しいブランドが「景美風月」です。
お客様へ
紙の魅力を感じてほしい
日本人には“月”に親しみや特別な感情を抱く人も多く、アイデンティティを感じる存在であることから、“月”をモチーフに選びました。
コンセプトを決めてから、職人さんに依頼し商品が完成するまで、1年以上の期間がかかりました。
今までに無かったものを職人の技術を結集させてつくった商品はどれも美しく、長く使っていただけるものばかりです。
ぜひ、スマホやパソコンが主流の時代だからこそ、景美風月を通して"紙"の魅力に触れていただけたら嬉しいです。