ブランド
天然素材の線香でエシカルな社会を
馬場水車場
- 1918年
- 線香
- 馬場猛
歴史
自然の恵みをあますところなくいただく精神
福岡県八女市は約6割が森林で、県内随一の森林面積を誇っています。
矢部川の清流と壮大な山々に囲まれた八女市は、杉の一大産地です。
江戸時代には、久留米藩・柳川藩が八女に「山奉行」を置いて、松や杉の植林を奨励しました。
八女の杉は木目がまっすぐで、頑強なことから人気に。
同時に建材に不要な杉の葉がたくさん廃棄されるなか、あますところなく活用しようと、杉の葉を水車の動力で粉砕して線香を作ることにしたのです。
1910年代~1975年ごろにかけて線香作りは最盛期を迎え、40軒以上の水車場が稼働していました。
しかしその後、安価な輸入品の台頭やエネルギーの転換、後継者不足などにより、メンテナンスが大変な水車をつかった昔ながらの線香作りは少なくなり、現在は2件を残すのみとなりました。
1918年に有志21名が出資しあって井堰や水路、水車場を設立。
1961年、それを馬場次男が敷地ごと買い受けて「馬場水車場」となりました。
現在は2代目である私が水車場を引継ぎ、夫婦二人三脚で線香作りを続けています。
特徴
杉の葉と水車、人にも環境にもやさしい線香
私たちが作っている杉の線香は、八女市で採取した杉の葉と、つなぎのタブの葉だけを使用した100%天然素材です。
線香作りは山に入り、杉の葉を集めることから。
重機をつかって伐採した杉の葉は、泥をかぶっていて使用できないため、昔ながらの方法で伐採している良質な原材料を入手します。
杉の葉の種類は約30種類ありそれぞれ特性がちがうため、よく見極めて生かすようにしています。
集めた杉の葉を火室(ひむろ)に入れて乾燥。
そして水車場で製粉していきます。
葉の粉砕に使用するエネルギーは、水車の動力のみなので環境にやさしいといえます。
もともとはこれを袋詰めして出荷するだけでしたが、香料や着色料などよけいな化学物質を入れない安心な線香を作りたいとの願いからオリジナル商品の開発を実現。
現在は「馬場水車場を応援する会」が発足し、水車自体を未来へ伝えるべき財産として保存しています。
お客様へ
身近につかうものだからこそ素材にこだわって
私たち馬場水車場は、天然杉の素材と水車の動力にこだわって100年以上、杉の線香作りを続けてまいりました。
高級でぜいたくな原材料ながら、素朴でどこかなつかしい香りがします。
線香の色は茶色ですが、杉粉の色により夏には黒っぽかったり、冬には青みがかっていたりと、天然だからこその風合いが特徴です。
火を点けると上へ上へと細い煙がのぼっていき、おだやかに心を落ち着かせてくれます。
お墓や仏壇での供養だけでなく、虫よけや香りを楽しむお香としても日常的にお使いいただけます。
身近に使うものだからこそ、化学物質の入っていない完全自然由来の線香で、身も心もリラックスなさってください。
小さなお子様がいらっしゃるご家庭でも安心です。